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時は18世紀、所は某ヴェルサイユ。
フランス国民は王政国家として、非常に安定した日々を送っていた。
国王ルイ16世は、聡明で決断力に優れていた。また、寛大であり、妃である王妃、マリー・アントワネットの浮気も容認していた(ホンマかいな)。

一方の王妃は、物事を深く考える事が苦手で、派手好き、浪費家でその上、賭博に手を出していたが、国王の巧みなかじ取りで、すっかり王妃としての自覚を取り戻し、国庫に赤字を生み出すこともなかった。

国王夫妻は2人の王子と1人の王女に恵まれ幸せに暮らしていた。
王妃は相変わらず、浮気をしていたが・・・。

国民は、第一身分の僧侶、第二身分の貴族、第三身分の平民に分けられ、それぞれは規律正しく、それぞれの立場をわきまえ、これまた、幸せに暮らしていた。(一応)

つまり、暴動・革命など無縁の平和な国だった(取り合えず)。

そして、1789年6月某日、ここは原作通りオスカルは、遂にアンドレに愛を告白した。
2人はハグをして、口づけをして、そのままベットインしてしまった・・・・・か、どうかは定かではないが、兎に角、相思相愛になった。

オスカルは、漸く見つけた真実の愛に打ち震え、アンドレは、長年のかなわないと思っていた愛が成就して歓喜に震えた。

もう離れられない・・・・・。
離れる事なんかできない・・・・・。
ひとりでは、生きられない・・・と、部屋に籠ってしまった。

最初に心配したのはオスカル付きの、3人の侍女だった。
「オスカルさま!」
「おあけください!オスカルさま!」
扉を叩いて、声をかけていると、主であるジャルパパが通りかかった。

「なにをしている!?」

「あ・・・・・オスカルさまとアンドレが・・・・・」
「お部屋にとじこもったまま、でていらっしゃいません!!
おやすみにもならず、
お食事もめしあがらず」

ジャルパパも扉を叩いてみた。
「オスカル、アンドレ、
なにをしている(←なんと無粋な・・・・・)
オスカル、アンドレ!!」
「ドアをあけろ!」
「オスカル!」
「アンドレ!」

それでも2人は、部屋に籠ったまま出てきませんでした。
オスカルは、衛兵隊の軍務をさぼり続けていました。

アンドレは、オスカルの護衛兼遊び相手という任務を放棄し、・・・・・(イヤ、遊び相手と護衛はしていたのかもしれないが、・・・・・それは、中の様子が見えないので不明です。)・・・・・お屋敷での仕事もさぼっていました。

そしてついに、7月14日ヴェルサイユ宮殿。
リアンクル公が廊下を走ってきました。
向かうのは国王陛下の寝室。

「な・・・なにをなされます、
リアンクル公!?」
「国王陛下はもうおやすみになられましたぞ!
ご無礼な!!」
「どきたまえそれどころではない!!」

バン!!!

「国王陛下!」

ドキッ!!

「ジャルジェ准将が衛兵隊の軍務をさぼり続けて、男と部屋に籠っています!!」
「なんだ!ただの恋の病じゃないか!?」

「いいえ!!
いいえ!!陛下、相手は平民でございます!!」

「なんだと!それは不届きな!
直ぐに、Jアラート(全国瞬時警報システム)ならぬ、Vアラート(緊急貴族招集警報)を発令して、呼び寄せるのじゃ!」

この頃、フランスはとても、とても平和で良い国でしたが、唯一つ、身分差別だけが人々の心を悩ましていました。何人も『身分の差』だけは越えてはならなかったのです。しかし、規律正しく生きていれば、身分を超える事もなかったので、不平も出ませんでした。

それを、王妃であるマリー・アントワネットのお気に入りの、ジャルジェ准将が事もあろうに、平民の男と愛を語り合うなんて、以てのほか、寝耳に水!でした。

国王陛下は、王妃も同席するように告げ、ジャルジェ准将と男を待った。

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一方、まったりと過ごしていた2人は、聞きなれないスマホのアラームに驚いた。

「おい!オスカル、おまえのスマホが変な音を出しているぞ!」
「え゛・・・おまえのじゃないのか?」
「イヤ、おれのは、機内モードにしてある!(キッパリ!)」

この頃、フランスでは貴族には全て、スマートフォン(iPhone)を持たせ、Vアラート(緊急貴族招集警報)、ラインなど、国王と貴族の連絡には欠かせないものとなっていた。

一方、アンドレは、平民ながら宮廷への出入りも許され、殆ど貴族待遇だったので、スマホ(iPhone)を持つことを許されていた。

オスカルは、のろのろと、立ち上がりテーブルの上に置き忘れられていたスマホの方に、かったるそうに歩いて行った。

が、スマホの画面を見ると、
「おい!アンドレ、Vアラートだ!」

「なんだって!」
「国王陛下から、Vアラートが発せられた。
それも、わたしにだけだ!

あ!lineも来ている。

まずい!ばれたぞ!
おまえ、・・・わたしと部屋に籠っているオトコと一緒に、参上するようご命令だ!」

「なんだって~!どうしてばれたんだ!
それより、・・・一大事だ!

馬車の用意をさせて、おまえの侍女たちを起こしてくる。
おれも、支度をしてくる!」

「ああ、こんな夜中に・・・」(夜中だから、呼ばれたのだ!)

オスカルの部屋には、三人の侍女が飛び込んできた。
爆発した髪を直し、新品の軍服を出して、てんやわんやだった。

一方、アンドレも自室に戻ると、オスカルに負けないほどの、くせ毛にブラシを入れ、お仕着せの中で一番良い物を選んで、袖を通した。

馬車の支度が整い、2人は乗り込み、ヴェルサイユ宮殿へと、急いだ。
お互い、手を握りながらも、真っ青だったのは、言うまでもない。

つづく