オスカル、ド・ギランド、ラ・トゥール、それに、ロドリゲは、黙々とペンを走らせていた。元々、ヴェルサイユ四剣士隊と名乗り、武術で、名を冠していた4人だったが、実は、事務能力にも長けていたので、大車輪で書類を片付けていた。
一方、ジョルジュは、4人にお茶を出しながら、その合間にロジェに読み書きを教えていた。
「そろそろ、帰るとするか!」ロドリゲが、声を上げた。
「あゝ、愛しいアンドレが、首を長〜くして、待っているものな!」ラ・トゥールが、続いた。
「皆んな、ありがとう!これだけ終われば、後はなんとかなる!
各々の軍務に支障をきたして、悪かったな!」オスカルが、応えた。
「なーに、お互い様って事だ!
俺は、明日からも来るけどな!」ド・ギランドが、嬉しそうに言った。
「おっと!そうだった!将軍殿にお見せする書類を選ばなければな・・・・・・
よし!オスカル、クリアファイルに入れておいたぞ!これで完璧だ!」
********************
こうして、男3人を乗せた馬車は、例の酒場に向かい。
オスカルと、ロジェ、ジョルジュを乗せた馬車は、軽快にジャルジェ家に向かった。
オスカルが玄関に向かうと、アンドレがそのドアを開けた。
オスカルは、ニッコリとしてしまいそうになるのを、必死で抑えた。
使用人たちが、ズラリと並びその中に一際小さいばあやの姿があった。
ただいま、ばあや。と、声をかけ、頰に触れようとしたが、スイッと逃げられた。
これには、オスカルも唖然とした。まだ、認めてすらないのか・・・
誰よりも一番理解して欲しいのに・・・こんな時こそ、アンドレの目を見たかった。
しかし、それは、許されていなかった。
仕方がないので、自室への階段に向かう。
背後で、気配が感じられた。背中がやんわりと、温かくなる。
あゝ、おまえも、同じ気持ちなのだなと思い、心が落ち着く。
一歩一歩、階段を上る。見上げると、半ばまで来ていた。永遠に、この階段が続けばいいのに・・・さもなくば、振り向きたい。オルフェウスもそうだったのだろうか?そうしたら、アンドレは、エウリディケか・・・。そんな事を考えながら、オスカルは、残りの半分をゆっくりと上っていった。
部屋の前には、ショーが居て、ドアを開けた。
振り向きたかった。
アンドレが、背後にいれば、少しは温もりを感じられると、国王陛下に嘆願した。
だが、余計に、目を合わせられない、辛さが増すばかりで、為すすべがなかった。
オスカルが、部屋に入ると、アンドレはオスカルが軍靴を脱ぐ定位置に座るのを待った。
その心も複雑だった。
複雑というより、不安といった方が良いかもしれない。
*******************
昼間、アンドレは、オスカルの軍靴を脱がす自分を想像した。
オスカルの軍靴を脱がす時。
一日中ブーツの中で、蒸れていた足が、なんとも言えない芳香を放つのを知っていた。
この世で、己しか知らない、オスカルの匂い。
それを嗅いで、自分は、はたして理性を保つことが出来るのであろうか?
足を手に取って、口づけしたい想いを、断ち切る事が出来るのであろうか?
むろん、つい先日までは、己の想いを消して、何でもないように、行ってきたことである。
しかし、今は、彼女の気持ちを知ってしまった。
彼女のもっと奥深い、匂いも知ってしまった。
知ってしまったものを、消し去ることは出来ない。
彼女と、目を合わすことができなくなってから、未だ、数えることが出来るくらいしか経っていないのに、己のオトコの部分は、彼女を求めてやまない。
己の提案した事だが、このように苦痛で、歓喜に満ちた行いだとは、現実になるまで気がつかなかった。
天国にいるようで、地獄を味わっているようだと、アンドレは、思った。
こうして、2人はお互いを想っているが故に、苦しむこととなった。
しかし、その苦行を止めることも出来なかった。
********************
着替えが済んだオスカルに、ガトーが、奥さまがアペリティフをご一緒したいと、おっしゃっていましたが、いかが致しましょうか?と聞いてきた。
珍しい事もあるものだと、オスカルがガトーを見ると、今日は、旦那さまのお帰りが、少し遅れるようで、オスカルさまとお2人でアペリティフをお楽しみになりたいそうです。
あゝ、それで独りでアペリティフは、味気ないと思われたのだな。
オスカルは、微笑みを浮かべると同時に、昨夜の両親とのやり取りを思い出した。
無性に腹が立ってきた。
だが、当の相手の、父上は遅れて帰宅するらしい。
推察するに、多分敵も、ばつが悪くて、何処かで時間稼ぎをしているのだろう。
と、思わず、フッと笑ってしまった。
気を取り直して、ガトーに尋ねた。
「母上は、どちらの部屋にいらっしゃるのだ?」と、嬉しそうに聞いた。
「さあ、そこまでは、お聞きしていないのです。
下にいらっしゃれば、誰かしらが、教えてくれるのではないでしょうか?」
そこに、ショーが、走ってきた。
年長のガトーが、嗜める。
ショーは、非礼を詫びながら、
「奥さまからご伝言です。晩餐は、テラスで召し上がるそうです。
ですから、お召し物をお寒くないようにしていらっしゃる様にと、申し賜りました」
「ふむ、そうか・・・では、ショー、この上着では、少々心もとない。
適当なのを、みつくろってきてくれ」
オスカルが指示を出し、上着を着替えた。
厨房近くに、家族での食事の為のテラスがあった。
オスカルが行くと、既にジャルママは、席についていて、愛娘の到着を待っていた。
「まあ、オスカル、激務をこなしてきた割には、顔色が良いようですね。
今朝は、本当に心配しましたよ。
気分転換になると思って、テラスでのお食事にしました。
貴女の、今夜のお好みに合うと良いのですが・・・」
オスカルが、席に着きながら見渡すと、庭園には焚き火が設けてあり、暖が取れるようになっていた。
その横、厨房に近い所に、後は火を起こす事だけを待っている、大きな鉄板が用意されていた。
アンドレが、椅子を引いてくれた。あえて素っ気なく、ありがとう。と言った。
もう少し何か、アンドレに声を掛けたかったが、恋人としての言葉しか見つからないので、話す相手を変えてみる。
「母上、あの鉄板は、なんですか?」オスカルは、不思議そうに見つめた。
「ほほほほ・・・趣向を変えて、料理長に目の前で、料理して頂こうと思いましてね。
こちらに、用意させたのよ。どうかしら?」
嬉しそうに、ジャルママは、笑いながら言った。
「それは良い考えでございますな。しかし、3人で食事をするには、いささかあの鉄板は、大きすぎると思いますぞ」オスカルは、今朝の事を思い出しながら、少々後ろめたい気がしながらも、母の心遣いに感謝した。
「ほほほほ・・・まあ、あなたもそう思うわよねぇ!
でもね、料理長と、焼くものの相談をしていたら、あのくらいが、丁度いいと言われてしまったのよ」楽しそうに、ジャルママは話した。
その間に、アンドレがアペリティフのシャンパンを持ってきた。
今夜のホストのジャルママに、確認すると、ジョルジュに渡し、栓を抜くように言った。
ジョルジュの初の大仕事である。
恐る恐る、コルクを緩めていくと、景気の良い音が響き渡った。
そしてまた、ジョルジュが、ジャルママとオスカルのシャンパングラスに注いでいく。
その手が震えているのに、オスカルは微笑んだ。
アンドレに前もって、教えられたのだろう。
勢いよく、グラスの8分目まで注ぐと、しばらく待った。
泡が落ち着くと、今度は泡をつぶさないようゆっくりと、グラスに注いだ。
背後から、2人の男の、ホッとした、息を吐く音がした。
オスカルも、自然と息をつめて見つめていた事を、知った。
ジャルママと乾杯すると、先ほどからの話に戻った。
「いったい、メニューは、何なのですか?
まあ、今日は、朝食も抜いた上に、昼食も軽めでしたので、かなり空腹ではありますが・・・」
「まあまあ、やっぱりね!
簡単に言うと、お野菜さんに、お肉さんにお魚さんとパンちゃんね」
「母上、それだけの為に、そんなに大きな鉄板が必要なのですか?」
「ほほほほ・・・貴女も少し覚えた方が宜しいわね。
お食事はね、お野菜さんと、お肉さん、お魚さんと、パンちゃん・・・炭水化物・・・のバランスが大事なのよ」
「バランスですか?しかし、仕事をしていると、そんなこと、考えている暇もありませんし、昼食は衛兵隊で食べますから、かなり偏っていると思われます。」
「そうねぇ、でも、一食でバランスが取れない時は、1日でも、1週間の中でもいいから、気を使うといいわ。これまでは、アンドレが貴女の健康に気遣ってくれたわね。だけど、これからの一年間は、ご自分で注意しなくてはならないのよ。それに、その後は、アンドレの健康も貴女が、見守っていかなければならないから、心得ておくのね」
「分かりました、母上。・・・で、今日のメニューの詳細を教えて頂きたいです。」
ジャルママが、また、少女のように笑い、貴女ったら余程、お腹が空いているのね。
とわらった。
その時、ワイン倉庫に行っていた、アンドレとジョルジュが、戻ってきた。
「今夜はね、子羊さんと、キジさんに、舌平目さん、それから・・・」
「母上!一々、肉や魚に敬称を付けないでいただきたい!
柵の中で戯れる、仔羊やキジを想像してしまうではないですか!」
ジャルママは、またコロコロと笑いながら、それらの命を頂くのですよ、敬意を称しても、宜しいのじゃなくて・・・と、今度は、真顔で言った。
オスカルは、我が母親ながら、あっぱれ。と言うか、まだ、少女の心を持っているようだ。
しかし、愛すべき母親だと感心した。
2人がそろそろ、食事に移ろうとした頃、ジャルパパが帰宅した。
普段見せないような、とってつけたような威厳を見せながら、テラスへと出てきた。
「なんだ!?やけに厚い上着を着せられ、部屋に入ったら、テラスで食事か?いったい何なのだ?あのような、焚火まで用意させて・・・」
ほほほほ・・・ちょっとね。気分を変えてみたくてね。・・・とオスカルの方を向いて、ジャルママが微笑んだ。
それに、あの焚火はアンドレが、用意してくれたのよ。アンドレの温かさを私達も、お相伴させて頂きましょう。・・・ジャルママは、今度は、オスカルにウインクして、にっこりした。
ふん!そうか・・・と、わざと不機嫌そうに言うと、昨夜の経緯を思い出して、オスカルと目を合わさない席に、ジャルパパは座った。
オスカルは、クックックと笑いたくなるのを、グッとこらえた。
料理長と、見習いコックのプルジャックが、料理を始めた。
ジョルジュが、ワインを持ってテーブルに来た。
その後ろには、アンドレが控えている。
「ワイン倉庫で14年寝かせた、白ワインを今宵はご用意いたしました。
これでございますが、宜しいでしょうか?」
緊張のあまり、声を震わせながら、ジョルジュがほとんど棒読みで言う。
オスカルは、笑いたくなるのを堪えながら、
「ほお、14年ものか・・・久しく口にしていないが、
あの癖のある味が、堪らないな。
テイスティングは、いいから、注いでくれ」
ジョルジュは、今度は手を震わせながら、瓶の底を恐々と持ちながら、各々のグラスにワインを注いでいった。
ジャルパパが先ず、口を付けた。
続いて、オスカル。そして、ジャルママ。
後ろの方から、声が聞こえる。
アンドレ~野菜と一緒に、肉も召し上がるのに、白ワインで良いの?肉は、赤ワインって決まっているじゃないか?ジョルジュが心配そうに、訴えている。
それを耳にした、オスカルは、
アンドレに声を掛けるのは、憚れたので、ジョルジュに言った。
「ジョルジュ、少し、味わってみろ!若い白ワインには無いコクと、軽いが、しっかりとした味があるのだぞ。このワインには・・・、少し、クセがあるので、初めは違和感があるが、嫌みなクセではないから、虜になってしまうのだ・・・・・」と、あたかも、アンドレに、言っているかのように、滑らかな口調だった。
ジャルママは、この娘の様子に、嬉しそうに、微笑んでいた。
すると、いきなりジャルパパが、話題を変えた。
「あーー、で、どうした?あれは?」
オスカルとジャルママは、何を言っているのか分からず、キョトンと、このテーブルについている、ただ一人の男を見た。
「だから・・・・・あれだ!あれ!分からんのか?
判読できない、兵士達の文書だ!持ってきたのだろう?」
「まあ、あなた、もう、健忘症なのですか?
固有名詞が出てこないのは、兆しが出始めている証拠ですわ。
私は夫の物忘れが酷くなって、いつの日か、私の事を、『おまえは、誰だ?』なんて、仰られるのは嫌ですからね!」と、言いつつも、ジャルママの目は笑っていた。
オスカルが、手元に置いておいた、クリアファイルを手に取ると、
「父上、先ほどから、こちらに置いてあります。
ド・ギランドが、選びました数通が入っております」
と、ジャルパパに渡した。
ふむ、とジャルパパは受け取ると、目を通し始めた。
ありがたい事に、まだ老眼にはなっていないはずなのに、書類を手元に近づけたり、遠ざけたり。すると、今度は、眉間にしわを寄せて、首をかしげている。
オスカルは、そんなに難解なものは入っていないはずなのに、何をこの父は、解読不能文書を見るようにしているのか・・・・・と訝しく思った。
すると、ジャルパパは目を上げて、
「成るほど・・・・・ド・ギランドが、判読したものと一緒に、原文も付いている。よくもまあ、この文字が判読できるものだと、感心するぞ。
ところで、あちらこちらに、『チョー』、『チョー』、『チョー』、って書いてあるが、これはなんだ?平民の言葉なのか?」
オスカルは、自分も衛兵隊に転属してから覚えた、この言葉が可笑しくて、懐かしくて、笑いながら、
「父上、『チョー』ではなくて、『超』で、ございます。
『凄い』とか、『とても』を、大げさに言ったり、感情を思いっきり込める時に、使われるのです。」
「ほう、すると、おまえは、アンドレを『超』愛している。と言うのか?」
ジャルパパは、この歳になって初めて知ったこの言葉を使いたくて、言ってみた。
しかし、オスカルは、自分は本当に『アンドレを、超愛している』が、口に出して言えない。後ろにいるのに・・・・・とやるせない気持ちになった。
「あなた、そんな事、今、ここで、オスカルに言っては、かわいそうじゃないですか?
オスカルは、愛の言葉は、今は禁止されているのですから・・・・・」
ジャルママが、嗜めた。
「あ~う~、それは、悪かった。だが一つだけ、教えてくれないか?
アンドレを形容しているこの言葉だ。
ここに『こましでたらしのアンドレ』とあるが、
どういう意味で、アンドレは衛兵隊でどう思われているのか?」
この言葉に、ジョルジュにワインと、料理のレクチャーをしていたアンドレは、天を仰いだ。
すると、オスカルが平然と、
「『こましでたらしの男』とはロドリゲのような男を言うのだと、ド・ギランドが、言っていました。」
「あん?ロドリゲと、アンドレの共通点が見つからないが・・・
あいつは、仕事はきちんとこなすが・・・素性が良くない。
一方の、アンドレは、仕事も素性も完璧だ!
どういう点を言っているのだ?ド・ギランドは?」
ジャルパパが、話している間、アンドレが口をパクパクして、泡食っていた。
よもや、オスカルが、衛兵隊に出仕して、あの3人に聞くとは思っていなかった。
さらに、ロドリゲが、引き合いに出されるとは・・・・・
だいたい、最初に口にしたのは、己の祖母である。
初っ端から、自分たちの事を反対して、おまけに自室を気色の悪い、ピンクの部屋に模様替えして・・・・・。
もともと、理解不可能な祖母であったが、最近は余計、分からなくなってきている。
アンドレは、誰にも分からないように、ため息をついた。
この調子では、また、次の月誕生日に質問攻めにあいそうだ。と、覚悟した。
次に、ジャルパパは、<匿名希望>の一通を手にした。例の、食事の件を訴えたものである。それには、オスカルが、面食らった。この件は、出来れば衛兵隊内だけで、極秘に解決したいものだった。
これは、問題ではないのか?食事がしっかりしていなければ、隊の士気も落ちるものだ。然るべき部署に調査させなければならないな!ジャルパパは、当然のことを口にした。
しかし、衛兵隊は、常識が通用するような隊ではなかった。
オスカルは、その件は、わたくしが責任をもって解決したいと思います。衛兵隊には、衛兵隊のやり方があります。近衛とは、違います。陸軍とも違います。
ただ、わたしだけでは、手に負えない時には、アンドレに出張ってもらう事になるかもしれません。この手に関しては、彼が一番精通していますから。
と言うと、背中を見せたまま、後ろに控える、アンドレに声を掛けた。
「アンドレ、力を借りる事になるやもしれぬから。
この書類を読んで、熟慮しておいてくれ」
すると、アンドレは、失礼します。と言うなり。
書類の原本の方を手に取った。
そして、
「了承しました。オスカルさま。
この書類、しばらの間、手元に置いていても宜しいでしょうか?」
と、オスカルに、許可を求めた。
「ああ、構わない。ド・ギランドの書類が、わたしの手元にあるし、
だいたい、そちらの原本は全く読めないのだからな!」
オスカルは、笑いたいのを我慢して、命令口調で告げた。
こうして、ジャルジェ家の晩餐は、オスカルとジャルパパが、腹に一物を持ちながらも、和やかに進められた。
*******************
3人のオスカル付きの侍女達は、彼女たちの仕事が終わると、夜のお茶を楽しみながら、おしゃべりに夢中になった。
「ねぇ?アンドレが、オスカルさまのブーツを脱がした時の、『恍惚〜っ』て顔!見た?男ってそんなに、オンナの足に魅力を感じるの?」
「そうらしいわねぇ!
それもね!小さければ、小さい程、魅力的なんですって!」
「あら?そうしたら、オスカルさまの足は、少し大き過ぎるんじゃない?」
「そうねー!アントワネットさまは、22.5センチって、聞いたわ。オスカルさまは、25センチもあるわ〜」
「や〜だ〜!それって、あばたも、何とかって事?」
「オスカルさまは、アバタなんかじゃ無いし、優しくて、素敵な方よ!お世話させて頂いて、幸せだわ!」
「そりゃそうよ〜」×2
「じゃあ、何が言いたいの?」
「足よ!足。私の足!これ以上、大きくならないかしら?心配になってきたわ!」
「そうね〜東の方の国では、足が小さい程、結納金も多くて、その為に、足を布で包んで大きくさせないようにしているとか・・・」
「あゝ、聞いたことあるわ。なんでも、足を折り曲げて、骨を折ってしまうそうよ!貴女、やってみる?いいオトコが、寄ってくるかもよ?笑笑」
「やーだー!そんな事、精々小さい靴を履いて、大きくならないようにしなくちゃ!」
「そんなこと言って、貴女、恋人欲しいの?」
「うーん、オスカルさまとアンドレ見てたら、いいなぁって、思っちゃった!エヘヘ(´∀`)」
つづく
一方、ジョルジュは、4人にお茶を出しながら、その合間にロジェに読み書きを教えていた。
「そろそろ、帰るとするか!」ロドリゲが、声を上げた。
「あゝ、愛しいアンドレが、首を長〜くして、待っているものな!」ラ・トゥールが、続いた。
「皆んな、ありがとう!これだけ終われば、後はなんとかなる!
各々の軍務に支障をきたして、悪かったな!」オスカルが、応えた。
「なーに、お互い様って事だ!
俺は、明日からも来るけどな!」ド・ギランドが、嬉しそうに言った。
「おっと!そうだった!将軍殿にお見せする書類を選ばなければな・・・・・・
よし!オスカル、クリアファイルに入れておいたぞ!これで完璧だ!」
********************
こうして、男3人を乗せた馬車は、例の酒場に向かい。
オスカルと、ロジェ、ジョルジュを乗せた馬車は、軽快にジャルジェ家に向かった。
オスカルが玄関に向かうと、アンドレがそのドアを開けた。
オスカルは、ニッコリとしてしまいそうになるのを、必死で抑えた。
使用人たちが、ズラリと並びその中に一際小さいばあやの姿があった。
ただいま、ばあや。と、声をかけ、頰に触れようとしたが、スイッと逃げられた。
これには、オスカルも唖然とした。まだ、認めてすらないのか・・・
誰よりも一番理解して欲しいのに・・・こんな時こそ、アンドレの目を見たかった。
しかし、それは、許されていなかった。
仕方がないので、自室への階段に向かう。
背後で、気配が感じられた。背中がやんわりと、温かくなる。
あゝ、おまえも、同じ気持ちなのだなと思い、心が落ち着く。
一歩一歩、階段を上る。見上げると、半ばまで来ていた。永遠に、この階段が続けばいいのに・・・さもなくば、振り向きたい。オルフェウスもそうだったのだろうか?そうしたら、アンドレは、エウリディケか・・・。そんな事を考えながら、オスカルは、残りの半分をゆっくりと上っていった。
部屋の前には、ショーが居て、ドアを開けた。
振り向きたかった。
アンドレが、背後にいれば、少しは温もりを感じられると、国王陛下に嘆願した。
だが、余計に、目を合わせられない、辛さが増すばかりで、為すすべがなかった。
オスカルが、部屋に入ると、アンドレはオスカルが軍靴を脱ぐ定位置に座るのを待った。
その心も複雑だった。
複雑というより、不安といった方が良いかもしれない。
*******************
昼間、アンドレは、オスカルの軍靴を脱がす自分を想像した。
オスカルの軍靴を脱がす時。
一日中ブーツの中で、蒸れていた足が、なんとも言えない芳香を放つのを知っていた。
この世で、己しか知らない、オスカルの匂い。
それを嗅いで、自分は、はたして理性を保つことが出来るのであろうか?
足を手に取って、口づけしたい想いを、断ち切る事が出来るのであろうか?
むろん、つい先日までは、己の想いを消して、何でもないように、行ってきたことである。
しかし、今は、彼女の気持ちを知ってしまった。
彼女のもっと奥深い、匂いも知ってしまった。
知ってしまったものを、消し去ることは出来ない。
彼女と、目を合わすことができなくなってから、未だ、数えることが出来るくらいしか経っていないのに、己のオトコの部分は、彼女を求めてやまない。
己の提案した事だが、このように苦痛で、歓喜に満ちた行いだとは、現実になるまで気がつかなかった。
天国にいるようで、地獄を味わっているようだと、アンドレは、思った。
こうして、2人はお互いを想っているが故に、苦しむこととなった。
しかし、その苦行を止めることも出来なかった。
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着替えが済んだオスカルに、ガトーが、奥さまがアペリティフをご一緒したいと、おっしゃっていましたが、いかが致しましょうか?と聞いてきた。
珍しい事もあるものだと、オスカルがガトーを見ると、今日は、旦那さまのお帰りが、少し遅れるようで、オスカルさまとお2人でアペリティフをお楽しみになりたいそうです。
あゝ、それで独りでアペリティフは、味気ないと思われたのだな。
オスカルは、微笑みを浮かべると同時に、昨夜の両親とのやり取りを思い出した。
無性に腹が立ってきた。
だが、当の相手の、父上は遅れて帰宅するらしい。
推察するに、多分敵も、ばつが悪くて、何処かで時間稼ぎをしているのだろう。
と、思わず、フッと笑ってしまった。
気を取り直して、ガトーに尋ねた。
「母上は、どちらの部屋にいらっしゃるのだ?」と、嬉しそうに聞いた。
「さあ、そこまでは、お聞きしていないのです。
下にいらっしゃれば、誰かしらが、教えてくれるのではないでしょうか?」
そこに、ショーが、走ってきた。
年長のガトーが、嗜める。
ショーは、非礼を詫びながら、
「奥さまからご伝言です。晩餐は、テラスで召し上がるそうです。
ですから、お召し物をお寒くないようにしていらっしゃる様にと、申し賜りました」
「ふむ、そうか・・・では、ショー、この上着では、少々心もとない。
適当なのを、みつくろってきてくれ」
オスカルが指示を出し、上着を着替えた。
厨房近くに、家族での食事の為のテラスがあった。
オスカルが行くと、既にジャルママは、席についていて、愛娘の到着を待っていた。
「まあ、オスカル、激務をこなしてきた割には、顔色が良いようですね。
今朝は、本当に心配しましたよ。
気分転換になると思って、テラスでのお食事にしました。
貴女の、今夜のお好みに合うと良いのですが・・・」
オスカルが、席に着きながら見渡すと、庭園には焚き火が設けてあり、暖が取れるようになっていた。
その横、厨房に近い所に、後は火を起こす事だけを待っている、大きな鉄板が用意されていた。
アンドレが、椅子を引いてくれた。あえて素っ気なく、ありがとう。と言った。
もう少し何か、アンドレに声を掛けたかったが、恋人としての言葉しか見つからないので、話す相手を変えてみる。
「母上、あの鉄板は、なんですか?」オスカルは、不思議そうに見つめた。
「ほほほほ・・・趣向を変えて、料理長に目の前で、料理して頂こうと思いましてね。
こちらに、用意させたのよ。どうかしら?」
嬉しそうに、ジャルママは、笑いながら言った。
「それは良い考えでございますな。しかし、3人で食事をするには、いささかあの鉄板は、大きすぎると思いますぞ」オスカルは、今朝の事を思い出しながら、少々後ろめたい気がしながらも、母の心遣いに感謝した。
「ほほほほ・・・まあ、あなたもそう思うわよねぇ!
でもね、料理長と、焼くものの相談をしていたら、あのくらいが、丁度いいと言われてしまったのよ」楽しそうに、ジャルママは話した。
その間に、アンドレがアペリティフのシャンパンを持ってきた。
今夜のホストのジャルママに、確認すると、ジョルジュに渡し、栓を抜くように言った。
ジョルジュの初の大仕事である。
恐る恐る、コルクを緩めていくと、景気の良い音が響き渡った。
そしてまた、ジョルジュが、ジャルママとオスカルのシャンパングラスに注いでいく。
その手が震えているのに、オスカルは微笑んだ。
アンドレに前もって、教えられたのだろう。
勢いよく、グラスの8分目まで注ぐと、しばらく待った。
泡が落ち着くと、今度は泡をつぶさないようゆっくりと、グラスに注いだ。
背後から、2人の男の、ホッとした、息を吐く音がした。
オスカルも、自然と息をつめて見つめていた事を、知った。
ジャルママと乾杯すると、先ほどからの話に戻った。
「いったい、メニューは、何なのですか?
まあ、今日は、朝食も抜いた上に、昼食も軽めでしたので、かなり空腹ではありますが・・・」
「まあまあ、やっぱりね!
簡単に言うと、お野菜さんに、お肉さんにお魚さんとパンちゃんね」
「母上、それだけの為に、そんなに大きな鉄板が必要なのですか?」
「ほほほほ・・・貴女も少し覚えた方が宜しいわね。
お食事はね、お野菜さんと、お肉さん、お魚さんと、パンちゃん・・・炭水化物・・・のバランスが大事なのよ」
「バランスですか?しかし、仕事をしていると、そんなこと、考えている暇もありませんし、昼食は衛兵隊で食べますから、かなり偏っていると思われます。」
「そうねぇ、でも、一食でバランスが取れない時は、1日でも、1週間の中でもいいから、気を使うといいわ。これまでは、アンドレが貴女の健康に気遣ってくれたわね。だけど、これからの一年間は、ご自分で注意しなくてはならないのよ。それに、その後は、アンドレの健康も貴女が、見守っていかなければならないから、心得ておくのね」
「分かりました、母上。・・・で、今日のメニューの詳細を教えて頂きたいです。」
ジャルママが、また、少女のように笑い、貴女ったら余程、お腹が空いているのね。
とわらった。
その時、ワイン倉庫に行っていた、アンドレとジョルジュが、戻ってきた。
「今夜はね、子羊さんと、キジさんに、舌平目さん、それから・・・」
「母上!一々、肉や魚に敬称を付けないでいただきたい!
柵の中で戯れる、仔羊やキジを想像してしまうではないですか!」
ジャルママは、またコロコロと笑いながら、それらの命を頂くのですよ、敬意を称しても、宜しいのじゃなくて・・・と、今度は、真顔で言った。
オスカルは、我が母親ながら、あっぱれ。と言うか、まだ、少女の心を持っているようだ。
しかし、愛すべき母親だと感心した。
2人がそろそろ、食事に移ろうとした頃、ジャルパパが帰宅した。
普段見せないような、とってつけたような威厳を見せながら、テラスへと出てきた。
「なんだ!?やけに厚い上着を着せられ、部屋に入ったら、テラスで食事か?いったい何なのだ?あのような、焚火まで用意させて・・・」
ほほほほ・・・ちょっとね。気分を変えてみたくてね。・・・とオスカルの方を向いて、ジャルママが微笑んだ。
それに、あの焚火はアンドレが、用意してくれたのよ。アンドレの温かさを私達も、お相伴させて頂きましょう。・・・ジャルママは、今度は、オスカルにウインクして、にっこりした。
ふん!そうか・・・と、わざと不機嫌そうに言うと、昨夜の経緯を思い出して、オスカルと目を合わさない席に、ジャルパパは座った。
オスカルは、クックックと笑いたくなるのを、グッとこらえた。
料理長と、見習いコックのプルジャックが、料理を始めた。
ジョルジュが、ワインを持ってテーブルに来た。
その後ろには、アンドレが控えている。
「ワイン倉庫で14年寝かせた、白ワインを今宵はご用意いたしました。
これでございますが、宜しいでしょうか?」
緊張のあまり、声を震わせながら、ジョルジュがほとんど棒読みで言う。
オスカルは、笑いたくなるのを堪えながら、
「ほお、14年ものか・・・久しく口にしていないが、
あの癖のある味が、堪らないな。
テイスティングは、いいから、注いでくれ」
ジョルジュは、今度は手を震わせながら、瓶の底を恐々と持ちながら、各々のグラスにワインを注いでいった。
ジャルパパが先ず、口を付けた。
続いて、オスカル。そして、ジャルママ。
後ろの方から、声が聞こえる。
アンドレ~野菜と一緒に、肉も召し上がるのに、白ワインで良いの?肉は、赤ワインって決まっているじゃないか?ジョルジュが心配そうに、訴えている。
それを耳にした、オスカルは、
アンドレに声を掛けるのは、憚れたので、ジョルジュに言った。
「ジョルジュ、少し、味わってみろ!若い白ワインには無いコクと、軽いが、しっかりとした味があるのだぞ。このワインには・・・、少し、クセがあるので、初めは違和感があるが、嫌みなクセではないから、虜になってしまうのだ・・・・・」と、あたかも、アンドレに、言っているかのように、滑らかな口調だった。
ジャルママは、この娘の様子に、嬉しそうに、微笑んでいた。
すると、いきなりジャルパパが、話題を変えた。
「あーー、で、どうした?あれは?」
オスカルとジャルママは、何を言っているのか分からず、キョトンと、このテーブルについている、ただ一人の男を見た。
「だから・・・・・あれだ!あれ!分からんのか?
判読できない、兵士達の文書だ!持ってきたのだろう?」
「まあ、あなた、もう、健忘症なのですか?
固有名詞が出てこないのは、兆しが出始めている証拠ですわ。
私は夫の物忘れが酷くなって、いつの日か、私の事を、『おまえは、誰だ?』なんて、仰られるのは嫌ですからね!」と、言いつつも、ジャルママの目は笑っていた。
オスカルが、手元に置いておいた、クリアファイルを手に取ると、
「父上、先ほどから、こちらに置いてあります。
ド・ギランドが、選びました数通が入っております」
と、ジャルパパに渡した。
ふむ、とジャルパパは受け取ると、目を通し始めた。
ありがたい事に、まだ老眼にはなっていないはずなのに、書類を手元に近づけたり、遠ざけたり。すると、今度は、眉間にしわを寄せて、首をかしげている。
オスカルは、そんなに難解なものは入っていないはずなのに、何をこの父は、解読不能文書を見るようにしているのか・・・・・と訝しく思った。
すると、ジャルパパは目を上げて、
「成るほど・・・・・ド・ギランドが、判読したものと一緒に、原文も付いている。よくもまあ、この文字が判読できるものだと、感心するぞ。
ところで、あちらこちらに、『チョー』、『チョー』、『チョー』、って書いてあるが、これはなんだ?平民の言葉なのか?」
オスカルは、自分も衛兵隊に転属してから覚えた、この言葉が可笑しくて、懐かしくて、笑いながら、
「父上、『チョー』ではなくて、『超』で、ございます。
『凄い』とか、『とても』を、大げさに言ったり、感情を思いっきり込める時に、使われるのです。」
「ほう、すると、おまえは、アンドレを『超』愛している。と言うのか?」
ジャルパパは、この歳になって初めて知ったこの言葉を使いたくて、言ってみた。
しかし、オスカルは、自分は本当に『アンドレを、超愛している』が、口に出して言えない。後ろにいるのに・・・・・とやるせない気持ちになった。
「あなた、そんな事、今、ここで、オスカルに言っては、かわいそうじゃないですか?
オスカルは、愛の言葉は、今は禁止されているのですから・・・・・」
ジャルママが、嗜めた。
「あ~う~、それは、悪かった。だが一つだけ、教えてくれないか?
アンドレを形容しているこの言葉だ。
ここに『こましでたらしのアンドレ』とあるが、
どういう意味で、アンドレは衛兵隊でどう思われているのか?」
この言葉に、ジョルジュにワインと、料理のレクチャーをしていたアンドレは、天を仰いだ。
すると、オスカルが平然と、
「『こましでたらしの男』とはロドリゲのような男を言うのだと、ド・ギランドが、言っていました。」
「あん?ロドリゲと、アンドレの共通点が見つからないが・・・
あいつは、仕事はきちんとこなすが・・・素性が良くない。
一方の、アンドレは、仕事も素性も完璧だ!
どういう点を言っているのだ?ド・ギランドは?」
ジャルパパが、話している間、アンドレが口をパクパクして、泡食っていた。
よもや、オスカルが、衛兵隊に出仕して、あの3人に聞くとは思っていなかった。
さらに、ロドリゲが、引き合いに出されるとは・・・・・
だいたい、最初に口にしたのは、己の祖母である。
初っ端から、自分たちの事を反対して、おまけに自室を気色の悪い、ピンクの部屋に模様替えして・・・・・。
もともと、理解不可能な祖母であったが、最近は余計、分からなくなってきている。
アンドレは、誰にも分からないように、ため息をついた。
この調子では、また、次の月誕生日に質問攻めにあいそうだ。と、覚悟した。
次に、ジャルパパは、<匿名希望>の一通を手にした。例の、食事の件を訴えたものである。それには、オスカルが、面食らった。この件は、出来れば衛兵隊内だけで、極秘に解決したいものだった。
これは、問題ではないのか?食事がしっかりしていなければ、隊の士気も落ちるものだ。然るべき部署に調査させなければならないな!ジャルパパは、当然のことを口にした。
しかし、衛兵隊は、常識が通用するような隊ではなかった。
オスカルは、その件は、わたくしが責任をもって解決したいと思います。衛兵隊には、衛兵隊のやり方があります。近衛とは、違います。陸軍とも違います。
ただ、わたしだけでは、手に負えない時には、アンドレに出張ってもらう事になるかもしれません。この手に関しては、彼が一番精通していますから。
と言うと、背中を見せたまま、後ろに控える、アンドレに声を掛けた。
「アンドレ、力を借りる事になるやもしれぬから。
この書類を読んで、熟慮しておいてくれ」
すると、アンドレは、失礼します。と言うなり。
書類の原本の方を手に取った。
そして、
「了承しました。オスカルさま。
この書類、しばらの間、手元に置いていても宜しいでしょうか?」
と、オスカルに、許可を求めた。
「ああ、構わない。ド・ギランドの書類が、わたしの手元にあるし、
だいたい、そちらの原本は全く読めないのだからな!」
オスカルは、笑いたいのを我慢して、命令口調で告げた。
こうして、ジャルジェ家の晩餐は、オスカルとジャルパパが、腹に一物を持ちながらも、和やかに進められた。
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3人のオスカル付きの侍女達は、彼女たちの仕事が終わると、夜のお茶を楽しみながら、おしゃべりに夢中になった。
「ねぇ?アンドレが、オスカルさまのブーツを脱がした時の、『恍惚〜っ』て顔!見た?男ってそんなに、オンナの足に魅力を感じるの?」
「そうらしいわねぇ!
それもね!小さければ、小さい程、魅力的なんですって!」
「あら?そうしたら、オスカルさまの足は、少し大き過ぎるんじゃない?」
「そうねー!アントワネットさまは、22.5センチって、聞いたわ。オスカルさまは、25センチもあるわ〜」
「や〜だ〜!それって、あばたも、何とかって事?」
「オスカルさまは、アバタなんかじゃ無いし、優しくて、素敵な方よ!お世話させて頂いて、幸せだわ!」
「そりゃそうよ〜」×2
「じゃあ、何が言いたいの?」
「足よ!足。私の足!これ以上、大きくならないかしら?心配になってきたわ!」
「そうね〜東の方の国では、足が小さい程、結納金も多くて、その為に、足を布で包んで大きくさせないようにしているとか・・・」
「あゝ、聞いたことあるわ。なんでも、足を折り曲げて、骨を折ってしまうそうよ!貴女、やってみる?いいオトコが、寄ってくるかもよ?笑笑」
「やーだー!そんな事、精々小さい靴を履いて、大きくならないようにしなくちゃ!」
「そんなこと言って、貴女、恋人欲しいの?」
「うーん、オスカルさまとアンドレ見てたら、いいなぁって、思っちゃった!エヘヘ(´∀`)」
つづく
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