♪Love Of My Life

オスカルが酒の壺と何かをお盆に載せて戻って来た。
(。´・ω・)ん?両手が塞がっているのに、

こいつ!足で障子を開け閉めしたな!行儀の悪い奴だ!
それも可愛いんだよなぁ~。

泡盛だ❣️と、嬉しそうに言いながら、おれの前にぐい呑を置いた。
氷を入れ、泡盛を注ごうとするから、
それは、おれの役目だから、酒壺を引き受けた。

するとオスカルは火鉢にあったやかんをどけて、
五徳の上に網を置いてその上に干し芋を並べ始めた。

「あゝ、おばあちゃんお手製のか?」と聞くと、
オスカルはドヤ顔で、
「ばあやに教えてもらって、わたしが作った❣️
美味いから、食べてみろ❣️」と勧める。

そして、楽しそうに干し芋の作り方を話し出した。
おれは、初めは聞いていたが、
ちがう・・・・
こんな話を
したいのではない・・・・

こんな話じゃ
な・・・・・い・・・・・
なにかもっと・・・・・

あ・・・・・
もっとちがう

ことばを
ごまかしている・・・・・

わたしが、干し芋の作り方を話していると、
急にアンドレの意識が違う方に行った。

そして、ぐい呑の氷を見つめカラカラと回し始めた❣️
わたしは、ビビった❣️

アンドレが黙って氷を見つめてカラカラと回す時は、爆弾発言の時だ。
いつもは、おとなしくて、はじけなくて、控えめなのに。

中身は熱い男だ。
今夜は、どんな爆弾発言が飛び出すのか?

わたしは、ものすご~~~~~く、ワクワクして来た。
と、同時にわたしは急いで、八頭身に戻った。

待っていると、アンドレが顔を上げた。
わたしと目が合うと、また、下を向いてしまった。
どうやら、今夜の爆弾は、超ドデカイゾ!

おれは、決心してオスカルの目を見つめて話し出した。

「なぁ!オスカル、おまえ寝る時寒くはないか?」

爆弾発言かと思ったら、何を言いだすんだ、この男は(/ω\)
思いっ切り脱力してしまったではないか・・・・

わたしは、至極真面目にでもそっけなく、答えてやった。

「あゝ、おまえが湯たんぽを持って来てくれるから、快適だ❣️」

するとアンドレは、

「そうか・・・・あのさ~今夜から湯たんぽ止めないか?」
なんて言い出した!

なんなんだ?この男❣️

「え゛?そんなことしたら寒くて寝られないじゃないか?
なんで、そんな意地悪言うんだ!」

も~~~~う、訳がわからない!
やはり男と女は分かり合えないのか?
三等身に戻りそうだ~~~!

「うん!だから『人間湯たんぽアンドレ君』なんてどうかな?」

わ〜❣️
すっげ~~~~~~~メガトン級の爆弾だ❣️
八頭身に、もっと十等身になってしまったではないか❣️❣️❣️
アンドレ❣️
その言葉をわたしはどんなに待っていたか、おまえは知らないだろうな❣️

なかなか告げてくれなかった罰にからかってやろうかな〜

「うーん!その『人間湯たんぽアンドレ君』は、
悪戯をしたり、アンドレ虫に変身したりしないか?」

「それは、おまえ次第だ・・・・と思う」

わたしは思わず、コタツの天板にドンと、両手をついた。
アンドレはびっくりした顔をしてわたしを見た。

当たり前だ❣️
この上まだ待たせると言うのか?
わたしは待った、待ちすぎるほど待った、アンドレ、もう待てないんだ❣️

でも、そんな事、口には出来ないから、惚けることにした。

「ってどう言う意味だ?」

「おまえが、柔らかくなくて、魅力的じゃなくて、
良い香りがしなければ、大人しくしている。」
「わたしは、魅力的なのか?

ちょっと待て❣️
わたしは未だ、愛の告白も、プロポーズの言葉も聞いてないぞ❣️」

「そんなの言葉にできるか!おれは日本男子だぞ!」
「なんだって!?『日本男子』ってのに、スゴク違和感があるんだが・・・・」

「あゝ、おれもだ。だけど、おれは日本男子で、おまえは大和撫子だよなぁ?」
「大和撫子にも、さらにスゴイ違和感だぞ❣️
やっぱり、おまえは愛を囁いている方が似合ってる!」

するとアンドレは、下を向いていたかと思ったら、いきなり左手を挙げた❣️
どうしたのかと見ていると、わたしの方を向いて唇を噛みしめ・・・・

「愛している」と言った。
やった~~~~~~~~❣️
遂に聞いたぞ、この言葉❣️
やっと抱きしめて、口づけをくれるのかと思ったら、まだ、何か囁き始めた。

「おれは無力だ!
幼い時、母を亡くして惚けていた時おまえに助けられた。
それから、先生のお情けで道場に置いてもらって・・・・
今日はおまえの尽力で、漸く親の仇を討ち、死罪にならずに済んだ❣️

おれは、
無力だ。・・・・・
見ただろう。

ひとりでは、
なにもできない」


な、何を言いだすんだ!
このオトコは❣️


「だれかにすがりたい
ささえられたいと・・・・・

そんな心のあまえを
いつもじぶんにゆるしている
人間だ」

何をぐだぐだと言いだすんだ、このオトコは・・・・・
おまえは、剣は強いが、他はからっきしダメだって、よく知ってるぞ!

「それでも愛しているか
愛してくれているか

おれひとりか❓
おれひとりを一生涯愛し抜くと誓うか?
誓うか?」

ふう、やっと終わったか❣️
さぁ❣️ハグして口づけだ❣️

あ、あれ?わたしの口が勝手に動き出した❗️

「千のちかいが欲しいか、
万のちかいが欲しいか、

わたしの言葉は、ただひとつだ。

命かけた言葉をもう一度言えと言うのか?」


(注:ここからアンドレの頭の中)
(分かりにくくて、すみません)
何をオスカル❣️
に・・・・似合わない言葉を言いだすんだ❓
ちょっと、待てよ❣️
もう一度って?・・・・・


「え゛!?おれ、おまえから告白されてないけど❗️
舟に乗った夜、口づけされただけで、おまえこそ、愛を囁いていないじゃないか❣️」
「あ゛!そうだったっけ?でも、充分伝わってるだろう❓」

「いーや❣️言葉にしてくれないとオトコにはわからないんだ❣️」

「悪いが、目を閉じてくれ❣️」
アンドレが黙って目を閉じた。
「愛している❣️生まれてきてよかった❣️」

わ〜言えた❣️

言われた❣️

あ゛!オスカルが、恥じらいながら、うつむいている。

え゛!?もしかして、
隣の部屋に連れてって・・・・の、サイン?
まずい、ベッドじゃなくて、・・・・・床の用意をしていない。

もしかして、・・・あのニヤリは・・・・・
厨に行った時に、用意しておけ!って、意味だったのか。
(ガッテン!)

なんと、うかつな!
おれと来たら、ボケ~~~~っと昼間の回想をしていたりして、

これじゃあ、ロ~マンチックな初めての夜が台無しじゃないか。
なんてお間抜けなんだ。
・・・・・おれ・・・・・

もう待てないと言っているのに、
なんだって、このオトコは、のんびり酒なんか飲んでいるんだ!?
まあ、もう少し飲んでもいいけど、
もう隣の部屋には、
アンドレが、床を用意しておいてくれてるはずだもんなぁ。

酒が無いふりして・・・・・厨に行ったりして・・・・・!
わたしでもそのくらいの演技はできるのだ!
それに、今夜くらいオールしたってイイよなぁ

あ゛!もしかして・・・・・夜明け前には修行❓
明日くらい休んだって良いのに〜。
アンドレ、おまえ、妙なところ几帳面だからなぁ❣️


もう、敵討ちも終わったし、
明日くらいゆっくり温かい、床の中で
オスカルといちゃいちゃしていたいんだけどなぁ。

おまえは変な所で真面目だから、
きっと忍者ハットリくんになっちゃうんだろなぁ❣️

  ********************

アンドレの胸に顔をうずめながら、
わたしは前から聞きたかった事を口にした。
「おまえは、いつからわたしの事を思っていたのか?」

「うん、母を亡くして・・・・・おまえが初めておれの前に現れた時からだ!
あの時、失意のおれに声を掛けた女剣士!

一目でイチコロだった。で、絶対にお嫁さんにしようと思ったんだが、
親の敵を討たなければならないから、諦めたんだ。」

「ふ~ん、そうか・・・じゃあ、わたしの方が先だな!」
わたしは今夜初めて、ドヤ顔で言った。

「え゛・・・だって・・・・・」
「だって・・・・・そうなんだって!

ある日、ばあやがいそいそと離れに行くから、
誰がいるのか、そっと見に行ったんだ。
そしたら、黒髪の男の子と、病気なのか床に女の人が居た。
わたしは、毎日毎日気になっておまえの事を見ていたんだ!」

「でも、姿を現さなかったし・・・・・おれも気づかなかったぞ!」
「ふふふ( *´艸`)障子に目あり!って言うだろう!
障子にぐりぐりって穴を開けて、・・・・・見てた!」

「え゛!あの頃から、おまえは障子に穴を開ける癖があったのか?
でも、障子に穴は開いていなかったぞ!」
「そりゃそうだ!桜や梅、星に金魚・・・・・いろんな形に障子を切って、
毎日糊と刷毛を持って行っていたのだからな~~
何をするにも、抜かりはないんだ!このオスカルさまは!」

「あ~~~~!見たぞ!
障子に模様があったのを!
不細工な雪だるまもあった!
あれはおまえだったのか!?」

ぼかっ!
イテッ!

「ああ、だから、わたしの方が先におまえに恋したんだ!」
「で、失意のおれに、剣の稽古をしようって誘って来たのか。

しかし、あれは好意を持っていたというより、
無理矢理、道場に連れ出された、って感じだったがなぁ!?」

「ふん!どう誘っていいのか分からなかったし、
同じ年頃の子どもと遊んだこともなかったから・・・・・」

「・・・・・・・・・で、道場が治外法権ってのは、本当なのか?」
「あ、急に話が変わるのだな!
おまえが母親と一緒に此処に逃げてきた時、

父上が役人たちを追い返したと、言っていたな?
あれが気になってな、調べてみた。
剣道の道場は、何時、刃傷沙汰があるか分からないから、
法の手が入らない事になっていた。

それで、おまえがジェローデルを正当な立ち合いで斬っても、
法には触れないと判断したんだ!」
「そうか・・・見落としていたな。
それを知っていれば、おまえを悩ませることもなかったのに・・・・・」

「いいさ・・・・・こうして、一緒になれたのだから。
・・・・・アンドレ・・・・・
あれ?雨が降ってきたのかな?音がするなぁ!?」

「ホントだ!じゃあ、明朝の修行は無しだな?」
「わお!ホントに!朝までまったりおまえといられるのだな!」

「え゛・・・いいのか?オスカル?おれは、朝までおまえを寝かさないぞ!
それに今夜からはずっと、おまえの部屋に住みつく、
おれの部屋は、おまえが障子に穴を開けたから寒くて住めないからな!」

「うん、毎晩こうしていられるんだな!
『人間湯たんぽアンドレ君』バンザイ!!」

「ところで、オスカル、祝言はいつにするのだ?」

そうだった。・・・・・今日の立ち合いの後、アンドレの戦勝祝いとなり、
父上はついでに、祝言も挙げてしまえ!なんて言い出したんだ。

男のように育ったわたしだって、
少しは準備をして、白無垢なぞ着てみたいと思うし、
何よりも、祝言は今日ではないような気がしたんだ。

すると、父上はアンドレを早く『息子』と呼びたい!
では、仮祝言を挙げよう!って事になった。

「うん、ちょっと耳を貸せ・・・・・・ごしょごしょごしょ・・・・・・・・で、どうだ?」
「え゛・・・だって、今日は12月26日だろう。
そんな先?

でも、すっごくしっくりくるな!
その日にしよう!
さて、そろそろ、もう一戦どうだ!?」

「ばか!いちいち聞くな!空気を読め!
それより何なんだ!その手は!?

さっきから・・・・・恥ずかしいぞ!(〃ノωノ)」
「なんで?こんなにキレイなのに!」
「だって・・・・・小さいし、おまえ、・・・・・洗濯板って言った。・・・・・」

「え゛!気にしていたのか?悪かった、ほんの冗談だ!
愛情の裏返しだ!

それに、知らないのか?こうしていると大きくなるんだぞ!」
「え゛!ホントか!?子どもが出来ると、大きくなるんだと思っていたが・・・・・」
「ふふふ( *´艸`)その前に、愛する男がこうしていると大きくなるんだ!
一週間かな?いや、一か月経つとボンキュッキュッだぞ!」

「おお!アンドレ・・・・・」

  *******************

(。´・ω・)ん?・・・・・朝?
腕の中から、歌が聞こえる?
オスカルが歌っている。

Look into my eyes and you’ll see I’m the only one
You’ve captured my love
Stolen my heart
Changed my life
Everytime you make a move
You destroy my mind
And the way you touch
I lose control and shiver deep inside
You take my breath away

You can reduce me to tears
With a single sigh
Every breath that you take any sound that you make
Is a whisper in my ear
I could give up all my life
For Just one kiss
I would surely die
If you desmiss me from your love
You take my breath away

So please don’t go
Don’t leave me here all by myself
I get ever so lonely from time to time
I will find you anywhere you go
I’ll be right behind you
Right until the ends of the earth
I’ll get no sleep
Till I find you to tell you
That you just my breath away

I will find you ・・・・・
Anywhere you go
I’ll be right behind you
Right until the ends of the earth
I’ll get no sleep
Till I find you to
Tell you when I’ve found you
I live you

         Take my breath away
          By Freddie Mercury
オスカルが歌い終わると、おれを見上げた。
微笑むその額にそっと口づけて、
「どこへ?
おれのいくところが、ほかにあると思うのか
死ぬまでそばにいてやるぞ」
と、告げた。

すると、オスカルが
「死ぬまでなんてイヤだ!生まれ変わってもおまえといたい!」
なんて、嬉しい事を言ってくれた。

「じゃあ、生まれ変わっても、また出会って・・・・・
愛し合って・・・・・
うん、今度はおれの方からおまえを先に愛して・・・・・
おまえを苦しませるような事は、絶対にしない!」
「本当か!おお・・・・・アンドレ!」

オスカルが、おれの胸の中にすっぱりと入ってしまった。
愛しいオスカル・・・・・絶対に悲しませたくない。
悲しみの涙も見たくない。
笑っていてくれ。
幸せの光の中で、微笑んでいてくれ。
おれのオスカル。・・・・・


BGM The Girl Is Mine
By Michael Jackson


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