♪Dreamer’s Ball

「わ!?」
「ぎゃっ!」
「な・・・・・なんだ!?・・・・・・・・」
「い・・・・・・・・痛い!足を踏むな!・・・・・・・・誰だ!?・・・・・・・・」
「え゛!?・・・・ええ!?・・・・」
「アンドレ?おまえか?・・・・・・・・」
「え゛!オスカル?おまえか?なんで、こんな廊下に寝ているんだ?」

「アンドレ!おまえこそ、こんな時間に何をしているんだ?」
「おれは、雨戸を閉めに来た。・・・・・・・・戸締りだ!」
「そうか、・・・しっかし!なんなのだ!この蒸し暑さ!眠れないではないか!
廊下に寝たら、少しは涼しいかと思って、こっちに移動したのだが・・・・・・・・」

「アンドレ~どうしたんだい?」
「あ!おばあちゃんだ。

おばあちゃん!何でもないよ!
こっちで、終わりだから、もう休んでいいよ~」
「はいよ~、アンドレも早く寝るんだよ!」
「オーライ!」

「ふう!夏は暑くて当たり前だ!
それより、・・・・・おまえ、・・・・・・・・足・・・・・・・・かゆくないか?」
「そういえば、・・・・・・・・かゆい!・・・・・・・・言われたら、どんどんかゆくなってきた!
アンドレ!なんとかしろ!」
「やっぱり!蚊に刺されたな!?明かりとキンカン持ってくるから、
おとなしくしていろよ!」
「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」

暑い・・・・・ヴェルサイユでは、夏でも日中は暑いが、もっとカラッとしていた。
それに、夜になれば涼しい風が吹くというのに、・・・・
この蒸し暑さと言ったらなんなのだ!今夜が特別なのか?
わたしは、軍人だ、少しくらいの暑さ寒さには耐えられる。

が、この蒸し蒸しは初めての経験だ!
アンドレは平気なのか?
あ!戻ってきた!

「待たせたな!蚊取り線香も持ってきた。
あれ?おまえ、・・・・・・・・蚊帳吊っていないのか?」
「・・・・・・・・?・・・・・・・・」
「何をぼーっとしているんだ!今、出してやるから、手伝え!」

『蚊帳』ってなんだ?
わ~~~~アンドレが、押し入れから大きな網を出してきた。
どうするのだ?それを・・・・・部屋の四隅に引っ掛けて、
ほう!その中に蚊を入れてしまうのか!

え゛!?・・・・・・・・その中に布団を敷いている!???????

「なんだ、おまえ、・・・・・・・・こんな分厚い布団掛けていたのか?
暑いはずだ!夏掛けに変えるぞ!
これで良しっと!

さあ、オスカル、蚊が入らないように、そっと入るのだぞ!」
「うん!へえ、人間が網の中に入るのか!面白いなぁ!」
「何を言っているんだ!毎年出しているだろう?今日はなんか変だな~
暑さにやられたか?熱はないよな?」

「わああ!!!!!」
アンドレが、額をつけてきた!・・・・・・・・何をするんだ!このオトコは?
「何を驚いている!熱を測っただけだろう!熱はなさそうだな。」

え゛!そうなのか?・・・・・こっちでは、そうやって熱を測るのか、
ふう!焦った。・・・・・・・・顔が・・・・・赤くなりそうだ。

「ほら!次!足を出してみろ!キンカン塗ってやる!」
「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」
やっぱり、アンドレに世話を焼いてもらうのは心地よいなぁ~!
「しみるぞ・・・・・」
「ああ・・・・・」

「じゃあ、豚さんの蚊取り線香とキンカンここに置いていくから。
それと、障子を開けて、・・・・・おれは、雨戸を閉めて来るからな」
「おい!そんな板戸を閉めたら、・・・・・障子を開けておいても暑いだろう?」

「おまえ・・・・・・・・ホントに大丈夫か?
雨戸には小さな窓があるから、そこから風が入って来るから、少しは涼しいぞ!」
「ああ!・・・・・そうだったな」・・・・・・・・と、言っておこう。

ふう!木で出来た屋敷に、紙を張って、・・・・・何とも開放的。
・・・・・不用心だと思っていたが、・・・・・夜には雨戸を閉めるのか。・・・・・・・・不思議な所だ。

確か、東の端に、礼儀正しい平たい顔族の国があると聞いたが、ここがそうか?・・・・・・・・明日、図書室に行って調べてみよう。・・・・・・
(。´・ω・)ん?アンドレの奴、・・・・・わたしの生足を見て・・・・・何にも感じなかったのか?

  *************************

図書室・・・・・『書庫』・・・・・・は、ここか。
ほう!本が積んである。・・・・・立てて収納しないのか?
なるほど、・・・・・立てるには、心もとないな・・・・・。

(。´・ω・)ん?・・・・・剣道の型・・・か・・・・・、
おかしいな・・・頭では理解していないが、身体では知っている。
わたしは、・・・・・・・・一体何者なのだ。

お!地球儀!・・・・・・・・ここは、・・・・・・・・どこだ?・・・・・・・・フランスは?

「誰だ!?」
オスカルが地球儀とにらめっこしていると、アンドレが、入ってきた。

「ああ、なんだ、オスカルか、どうした?地球儀なんか見て、
おい!外国なんか見て、行きたそうな顔なんてするな!
捕まるぞ!」

「え゛!」
「冗談じゃないぞ!そんなのんきな声をして!
『鎖国』をしているのだぞ、日本は・・・・・・・・」
「ニホン・・・・・・・・ああ、ここだな?」
「そうだ、ちっぱけな島国だよ!

・・・・・・・・で、なんか本を探しに来たのだろう?
どんな本だ?ここの管理責任者はおれだ!
最近入った本は、・・・・・・・・

『うんたらかんたら』と『なんちゃってベルばら』1巻~10巻・・・・・・だな!
こっちの方にあるから、ゆっくり見ると良い・・・・・・・・」

「アンドレ、おまえ、・・・・・・・・ここの本、全部読んでいるのか?」
「当ったり前だろう!管理責任者だと言っただろう?
おまえも、以前は競争して読み漁ったけど、・・・・・・・・最近は、忙しいからな。
書庫に入るのも久しぶりだろう?
おれは、暇を見つけては読んでいるんだ。

書庫にいる時は一人で居たいんだろう?
その辺にいるから、用があったら呼んでくれ!」

・・・・・・・・アンドレ、・・・・・・行ってしまった・・・・・・・・。
全部読んでいると言っていた。
ぼーっとしているのに、・・・・・・・・見かけによらないな。

あ!そう言えば、時々懐から何か出したり、入れたりしていたっけ!
この本なら、丸めてしまう事が出来るのだな・・・・・・・・。

ふん!あいつの方が、物知りだなんて!面白くない!
いつだって、わたしの方が上だったのに、

そうか、・・・ここは、日本か、・・・・・・・・随分と遠くに来たのだな~
何年なのだろうか?・・・・・・・・『天明9年』
そんな年号では分からないではないか!
西暦だ!西暦!・・・・・・・・『西暦1789年』・・・・・・え゛!?

では、今、向こうに帰れば、・・・・・・・・子ども達に会えるのか?
でも、わたしは23歳・・・・・・・・。
しかし、33歳までのフランスでの記憶が残っている・・・・・・・・。
アンドレは、・・・・・・・・記憶が無いようだ。

それに、向こうのアンドレは、・・・・・・・・逝ってしまった。
・・・・・・・・どうしたらいいのだ?・・・・・・・・

神よ!・・・・・・・・
うわ~~頭が痛い!

『キリスト教は禁じられています』・・・・・・
『時空が折れ曲がって、ぐちゃぐちゃになっています(書き手の所為で・・・)
兎に角、こちらでも懸命に生きてください・・・・・・・・。
そうすれば、道は開けるでしょう』

『多分・・・・・・・・』
多分、って誰だか知らないが、無責任な・・・・・・・・。

取り敢えず、2-3冊持って行こう。
・・・・・・・・『なんちゃってベルばら』は必須だ!

BGM What Do I Know?
By Ed Sheeran
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