♪Good Old Fashioned Lover Boy
「なんだって、こんなものを
着なくちゃならないんだ!?」
思っていた通り、オスカルが叫んだ。
でも、おれとしては、オスカルがおれの修業に毎朝ついてくるなら、脛や腕は勿論のこと、顔には絶対傷をつけて欲しくなかった。だから、考えに考えて、この衣装を選んだんだ。
ただ、選択肢が無いのは、辛かろうと、何色か揃えてはみたのだが・・・・・。
話を修行の初日に戻そう。
雑木林を通り抜けて、漸く開けた所に二人は出た。
アンドレが、また、竹筒から水を飲んでいる。
オスカルは、不思議に思って聞いてみた。
「おまえ!一体何本、竹筒を持ってきたのだ?」
「イヤ・・・・・二本持ってきたんだが、
欲しいなぁ・・・と、思った途端、袂が重くなって、
何だと思ったら・・・・・入っていた・・・・・。
ほら!おまえも、飲め!」
「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」
「そしたら、そこの石にちょっと座ってみろ!」
「え゛?」
石の上に座ると、アンドレが、前に来て跪いた。
そして、心配そうにわたしの顔を見上げて、
「顔は・・・・・そんなに傷はないな、良かった!
・・・・・腕、傷だらけだ・・・・・。
足は?・・・・・!?・・・・・おまえ!素足にわらじを履いてきたのか?
傷なんてものじゃあない!
これで良く付いてこられたな!?
痛かっただろう?」
「夢中で気がつかなかった。今になったら、・・・・・痛い!」
「消毒するぞ!」
「救急箱まで、持って来ていたのか?( ゚Д゚)」
「それが、・・・・・今、欲しいなあ!・・・・・と思った瞬間、袂の中に現れた・・・・・」
「妙だな?おまえの袂は、ドラえもんのポケットか?
以前にもこんな事があったような気がするが・・・」
「え゛?おまえ、何を言ったのか?」
「イヤ・・・・・よくわからない。」
「兎に角。・・・・・帰りはおぶっていくか?」
「また、雑木林を通るのか?」
「いつもなら、往復するのだが、この足では無理だ。・・・・・普通の道を帰ろう。」
「じゃあ、土の感触が好きだから、はだしで歩いていく!」
「大丈夫か?かなり擦れて、出血しているぞ!
痛くなったら、いつでも無理せず、言うんだぞ!」
「うん!」
「明日からは、何か策を考えるからな!」
わお!明日もついて行っていいのか!やったね!足に羽が生えた気分だ!
オスカルは、ルンルンと歩き始めた。
足の裏の土の感触が気持ちいいな・・・・・。
と、思って歩けたのはほんの少しだけだった。
痛くて歩けなくなって、結局、アンドレにおんぶする事になった。
けど、アンドレの大きな背中にもたれかかって、揺られて進むのも悪くないな!
オスカルが、辛そうだからつい、おぶってしまったが・・・・・、
不味い。・・・・・非常に不味い・・・・・。
オスカルのささやかな膨らみが、背中に触れて・・・・・、
柔らかい。・・・・・不味い、おれも、まだまだ未熟だな!
その日の、アンドレが運んでくれた、朝ご飯は飛び切り美味しかったし、帰る前に、アンドレと木刀でやり合ったのも気持ち良かった。
アンドレが、本気で(多分8割ほどだろうけど・・・)打ち込んできた時の、腕のしびれも、嬉しかった。わたしが、どこを攻めても、アンドレは打ち返してくる。・・・・・本気を出したら、わたしの腕は折れているかもしれない。わたしも、アンドレと並んで戦えるように修行に励まねば!
********************
昼の日の高い頃、一人の男が道場を訪ねてきた。
その時、わたしは、ある門弟に稽古をつけながら、相変わらずへたっぴ~な振りをしているアンドレを、片目で見ながらほくそ笑んでいた。
「オスカルさん、某家の者が、腕試しに参りました。
その後は、年末の試合まで道場に、居候するらしいです。」
最近は、父上が年末のわたしの婿を決める試合を発表した為、各地から腕試しの武者がやってきて、負けては、去っていくもの。又は諸国に武者修行に出て行くもの。果ては、この道場に留まる者もいた。今日来た者は、始めから留まるつもりで来たらしい。
どんな男なんだろう?
「ポー家か?・・・・・聞いたことがないな?・・・・・」
「いえ!某家です。オスカルさん」
「・・・・・・・・某・・・・・?・・・・・」
門弟たちは、それぞれの稽古をいったん中止して、道場に順に並んで座った。
わたしは、一応、仰々しく、来訪者が道場に入ってから、父上と一緒に一段高い所に座った。
来訪者は、ねこ(=^・^=)を連れていた。
ペルシャ猫のようである・・・・・。
男は、・・・・・味噌汁に入っている、
ワカメのような髪を後ろで一つにまとめて、
ひれ伏していた。
わたしたちが座ると、
「某家のジェローデルと申します。」と、名乗った。
な~んだ!やっぱり『ポー』ではないか?
それにしては、30過ぎに見えるが、・・・・・わたしは、ジェローデルと父上が、話しているのをたいして聞きもしないで、ありとあらゆる情報を駆使して、思考を巡らしていた・・・・・。
その時、物凄い『殺意』を感じた。
わたしに向かってではない!
ジェローデルに対して、である!
わたしは、門弟たちを見回した。
皆、初めて現れた、この男に興味津々の様子であった。
ただ一人を除いて・・・・・、
アンドレは、相変わらず、興味がない!我関せず!のポーカーフェイスである。
誰一人、殺意を放った風には見えなかった。
ジェローデルは、・・・・・彼は感じたのだろうか?
感じたのなら、かなりの腕前・・・・・。
父上は、しかとしているが、多分感じた事だろう。・・・・・だが、黙して語らず。
その内、ジェローデル相手に何人かが、腕試しをすることになった。
勿論、わたしは、高みの見物である。
へなちょこなアンドレも静かなまなざしで ^^) _旦~~、見ている。
うん!イイオトコだ!
イヤ、ジェローデルの事ではない!
アンドレだ!
ジェローデルは、かなりの腕前だった。
信長、秀吉ほどではないが、家康はかなり苦戦していた。
その後、再び通常の稽古に戻り、ジェローデルはほかの門弟と同様、奥の4畳半を与えられ、猫と共に消えた。
********************
そして、その日の夜、アンドレが何やら包みを抱えてオスカルの部屋を訪れた。
・・・・・で、冒頭の叫び声が響き渡ったのである。
「始め、脚絆と手っ甲だけでいいかと思ったんだが、
それでは、顔を守る事が出来ないから、
目出し帽を考えたんだが、タイガーマスクじゃ、絶対おまえは、嫌がると思って、
これにしたんだ。
色も暗がりで見つけやすいように、これらのものを見繕ってきた!」
「う~~~ん、おまえ!わたしを、『忍者ハットリくん』にするつもりか?」
「(^^♪うん!これで修業すれば楽しいだろ?
それに、・・・おまえも、おれの後ろをただ走るだけじゃ、つまらないだろう?
今朝、見ていたんだろう?おまえも、独りで雑木林に分け入って、修行しろ!」
「う~~~ん($・・)/~~~一万歩譲ったとして、・・・・・おまえは何色を着せようというのだ?」
「ベビーピンクなんていいかと思っているのだが・・・・」
「え゛!・・・・・まあ、わたしの髪には似合う色だが、わたしは、赤に惹かれるが・・・・・」
「(´―`*)ウンウン、赤から始めて、上達してきたら、青にすると良い!」
「だったら、白から始めなければいかん!
ふん!おまえの思い通りにさせて堪るか!ローズピンクにしよう!
で、おまえは何色を着るのか?」
「え゛!おれは、今までの胴着で十分だ!」
「そんなのずるいぞ!おまえも、着ろ!色は、わたしが選んでやる!」
「(*’▽’)・・・・・いやいや、ダメだ!2人で着ていたら、『忍者村』になってしまう!」
「うるさい!ホントは黒と言いたいところだが、
真っ暗闇で、おまえがどこにいるかわからなくなりそうだ!
けど、おまえ!明るい色のイメージが無いな!
もう!しょうがない、濃紺を着て、・・・・・頭に旗を立てろ!」
「え゛!おれは、『ハタ坊』じゃないぞ!」
こうして、アンドレとわたしは、毎日夜明け前に忍者のコスプレをして修行に励むこととなった。勿論、わたしはお洒落さんだから、その日の気分に合わせて装いの色を変える事は忘れてはいない。

BGM The A Team
By Ed Sheeran
「なんだって、こんなものを
着なくちゃならないんだ!?」
思っていた通り、オスカルが叫んだ。
でも、おれとしては、オスカルがおれの修業に毎朝ついてくるなら、脛や腕は勿論のこと、顔には絶対傷をつけて欲しくなかった。だから、考えに考えて、この衣装を選んだんだ。
ただ、選択肢が無いのは、辛かろうと、何色か揃えてはみたのだが・・・・・。
話を修行の初日に戻そう。
雑木林を通り抜けて、漸く開けた所に二人は出た。
アンドレが、また、竹筒から水を飲んでいる。
オスカルは、不思議に思って聞いてみた。
「おまえ!一体何本、竹筒を持ってきたのだ?」
「イヤ・・・・・二本持ってきたんだが、
欲しいなぁ・・・と、思った途端、袂が重くなって、
何だと思ったら・・・・・入っていた・・・・・。
ほら!おまえも、飲め!」
「(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪」
「そしたら、そこの石にちょっと座ってみろ!」
「え゛?」
石の上に座ると、アンドレが、前に来て跪いた。
そして、心配そうにわたしの顔を見上げて、
「顔は・・・・・そんなに傷はないな、良かった!
・・・・・腕、傷だらけだ・・・・・。
足は?・・・・・!?・・・・・おまえ!素足にわらじを履いてきたのか?
傷なんてものじゃあない!
これで良く付いてこられたな!?
痛かっただろう?」
「夢中で気がつかなかった。今になったら、・・・・・痛い!」
「消毒するぞ!」
「救急箱まで、持って来ていたのか?( ゚Д゚)」
「それが、・・・・・今、欲しいなあ!・・・・・と思った瞬間、袂の中に現れた・・・・・」
「妙だな?おまえの袂は、ドラえもんのポケットか?
以前にもこんな事があったような気がするが・・・」
「え゛?おまえ、何を言ったのか?」
「イヤ・・・・・よくわからない。」
「兎に角。・・・・・帰りはおぶっていくか?」
「また、雑木林を通るのか?」
「いつもなら、往復するのだが、この足では無理だ。・・・・・普通の道を帰ろう。」
「じゃあ、土の感触が好きだから、はだしで歩いていく!」
「大丈夫か?かなり擦れて、出血しているぞ!
痛くなったら、いつでも無理せず、言うんだぞ!」
「うん!」
「明日からは、何か策を考えるからな!」
わお!明日もついて行っていいのか!やったね!足に羽が生えた気分だ!
オスカルは、ルンルンと歩き始めた。
足の裏の土の感触が気持ちいいな・・・・・。
と、思って歩けたのはほんの少しだけだった。
痛くて歩けなくなって、結局、アンドレにおんぶする事になった。
けど、アンドレの大きな背中にもたれかかって、揺られて進むのも悪くないな!
オスカルが、辛そうだからつい、おぶってしまったが・・・・・、
不味い。・・・・・非常に不味い・・・・・。
オスカルのささやかな膨らみが、背中に触れて・・・・・、
柔らかい。・・・・・不味い、おれも、まだまだ未熟だな!
その日の、アンドレが運んでくれた、朝ご飯は飛び切り美味しかったし、帰る前に、アンドレと木刀でやり合ったのも気持ち良かった。
アンドレが、本気で(多分8割ほどだろうけど・・・)打ち込んできた時の、腕のしびれも、嬉しかった。わたしが、どこを攻めても、アンドレは打ち返してくる。・・・・・本気を出したら、わたしの腕は折れているかもしれない。わたしも、アンドレと並んで戦えるように修行に励まねば!
********************
昼の日の高い頃、一人の男が道場を訪ねてきた。
その時、わたしは、ある門弟に稽古をつけながら、相変わらずへたっぴ~な振りをしているアンドレを、片目で見ながらほくそ笑んでいた。
「オスカルさん、某家の者が、腕試しに参りました。
その後は、年末の試合まで道場に、居候するらしいです。」
最近は、父上が年末のわたしの婿を決める試合を発表した為、各地から腕試しの武者がやってきて、負けては、去っていくもの。又は諸国に武者修行に出て行くもの。果ては、この道場に留まる者もいた。今日来た者は、始めから留まるつもりで来たらしい。
どんな男なんだろう?
「ポー家か?・・・・・聞いたことがないな?・・・・・」
「いえ!某家です。オスカルさん」
「・・・・・・・・某・・・・・?・・・・・」
門弟たちは、それぞれの稽古をいったん中止して、道場に順に並んで座った。
わたしは、一応、仰々しく、来訪者が道場に入ってから、父上と一緒に一段高い所に座った。
来訪者は、ねこ(=^・^=)を連れていた。
ペルシャ猫のようである・・・・・。
男は、・・・・・味噌汁に入っている、
ワカメのような髪を後ろで一つにまとめて、
ひれ伏していた。
わたしたちが座ると、
「某家のジェローデルと申します。」と、名乗った。
な~んだ!やっぱり『ポー』ではないか?
それにしては、30過ぎに見えるが、・・・・・わたしは、ジェローデルと父上が、話しているのをたいして聞きもしないで、ありとあらゆる情報を駆使して、思考を巡らしていた・・・・・。
その時、物凄い『殺意』を感じた。
わたしに向かってではない!
ジェローデルに対して、である!
わたしは、門弟たちを見回した。
皆、初めて現れた、この男に興味津々の様子であった。
ただ一人を除いて・・・・・、
アンドレは、相変わらず、興味がない!我関せず!のポーカーフェイスである。
誰一人、殺意を放った風には見えなかった。
ジェローデルは、・・・・・彼は感じたのだろうか?
感じたのなら、かなりの腕前・・・・・。
父上は、しかとしているが、多分感じた事だろう。・・・・・だが、黙して語らず。
その内、ジェローデル相手に何人かが、腕試しをすることになった。
勿論、わたしは、高みの見物である。
へなちょこなアンドレも静かなまなざしで ^^) _旦~~、見ている。
うん!イイオトコだ!
イヤ、ジェローデルの事ではない!
アンドレだ!
ジェローデルは、かなりの腕前だった。
信長、秀吉ほどではないが、家康はかなり苦戦していた。
その後、再び通常の稽古に戻り、ジェローデルはほかの門弟と同様、奥の4畳半を与えられ、猫と共に消えた。
********************
そして、その日の夜、アンドレが何やら包みを抱えてオスカルの部屋を訪れた。
・・・・・で、冒頭の叫び声が響き渡ったのである。
「始め、脚絆と手っ甲だけでいいかと思ったんだが、
それでは、顔を守る事が出来ないから、
目出し帽を考えたんだが、タイガーマスクじゃ、絶対おまえは、嫌がると思って、
これにしたんだ。
色も暗がりで見つけやすいように、これらのものを見繕ってきた!」
「う~~~ん、おまえ!わたしを、『忍者ハットリくん』にするつもりか?」
「(^^♪うん!これで修業すれば楽しいだろ?
それに、・・・おまえも、おれの後ろをただ走るだけじゃ、つまらないだろう?
今朝、見ていたんだろう?おまえも、独りで雑木林に分け入って、修行しろ!」
「う~~~ん($・・)/~~~一万歩譲ったとして、・・・・・おまえは何色を着せようというのだ?」
「ベビーピンクなんていいかと思っているのだが・・・・」
「え゛!・・・・・まあ、わたしの髪には似合う色だが、わたしは、赤に惹かれるが・・・・・」
「(´―`*)ウンウン、赤から始めて、上達してきたら、青にすると良い!」
「だったら、白から始めなければいかん!
ふん!おまえの思い通りにさせて堪るか!ローズピンクにしよう!
で、おまえは何色を着るのか?」
「え゛!おれは、今までの胴着で十分だ!」
「そんなのずるいぞ!おまえも、着ろ!色は、わたしが選んでやる!」
「(*’▽’)・・・・・いやいや、ダメだ!2人で着ていたら、『忍者村』になってしまう!」
「うるさい!ホントは黒と言いたいところだが、
真っ暗闇で、おまえがどこにいるかわからなくなりそうだ!
けど、おまえ!明るい色のイメージが無いな!
もう!しょうがない、濃紺を着て、・・・・・頭に旗を立てろ!」
「え゛!おれは、『ハタ坊』じゃないぞ!」
こうして、アンドレとわたしは、毎日夜明け前に忍者のコスプレをして修行に励むこととなった。勿論、わたしはお洒落さんだから、その日の気分に合わせて装いの色を変える事は忘れてはいない。

BGM The A Team
By Ed Sheeran
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