♪Made In Heaven


やっとほっと出来た。
・・・・・坐禅タイムだが、・・・・・
瞑想している暇なんかない。
・・・・・考えねば・・・・・

どうやら、わたしは、生まれ変わったらしい・・・・・。
しかも、これまで生きてきた『オスカル・・・わたし』の、中に入ってしまったようだ。
そして、わたしには、フランスでの記憶がある。
さらに、こちらでの暮らしを潜在的に知っている。
昨日までの、こちらに居た、『オスカル・・・わたし』の、記憶はないみたいだ。

次は、アンドレだ!
アンドレは、・・・・・・・・フランスでの記憶が無いようだ。
こちらで、ずっと生きている様だ。
それに、・・・胸毛が無い!・・・・・わたしのアンドレ、・・・・・・ではないのか?
(。´・ω・)ん?・・・・・アンドレは、・・・・・・・・わたしを愛していないのか?

愛しているのなら・・・・・、
今、坐禅しながらでも、わたしを見つめているはずだが?・・・・・
そっと、見てみよう!

・・・・・!!!!!・・・・・なんだ!こいつ!・・・・・眠っているぞ!

どうしたらいいんだ!・・・・・以前と反対ではないか!
お!身体が勝手に動く・・・・・後ろに回って・・・・・竹刀で肩をポンポン!・・・・・
あ!アンドレが、手を合わせて、・・・・・お辞儀した・・・・・・・・。

パシ~~~~~ン!!

「わるい!わるい!ちょっと寝不足で・・・・・・・・」

「ふん!たるんでいるぞ!」
「おまえ、さすがだな!おれはもう限界だ!
おれ、台所に行って、おばあちゃんの手伝いしてくるよ!
おまえも適当に切り上げて、着替えろよ!夏とはいえ、風邪ひくからな!」

アンドレ・・・・・・行ってしまった。
優しいのも、労わってくれるのも同じだけど・・・・・・・・、
ん~~~~~む。
暫く様子を見るか・・・・・・・・。

  *************************

「オスカル!朝食の支度が出来たぞ!」
「ああ、今行く!」
「あ、着替えたのか、その方が涼し気でいいな!」

・・・・・食堂・・・・・大勢の人の気配がする。・・・・・・・・こっちか!
・・・・・何だ?この男たちは!?・・・・・『ジャルジェ道場門下生』・・・・・・
ほう!ダイニングテーブルではなくて、一人ずつテーブルがあるのか。・・・・・『お膳』・・・・・・

あ!アンドレが来た。トレーに何か載せて、・・・・・
「オスカル!さあ、沢山召し上がれ!」
(。´・ω・)ん?なんだ?この湯気の立った、白いのは?

でも、美味しそうだな。・・・・・アンドレもニコニコ見ている。
「ありがとう!アンドレ!」
あ!勝手に手と口が動いた・・・・・。
「ゆっくり、噛んで食べろよ!お代わりならいっぱいあるからな!」

(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
美味しい!見た事の無いものばかりだが、・・・・・美味しい!

給仕は、・・・・・アンドレを含めて三人か、・・・・・・・・
なんか、・・・フランソワとジャンに似ているな。
三人とも弱そうだ!

席についているのは、・・・・・15人くらいだ・・・・・・・・。
あれ?わたしは、門下生を見下ろして座っている。・・・・・『上座』・・・・・
わたしの隣に座っているのは・・・・・・・・!・・・・・・・・父上だ~~~~~!
ふ~ん、・・・・・・・・少しずつこちらの世界が分かってきたぞ!

「オスカルさん、後で稽古をお願いします!」
「私も、お願いします!!
「拙者もお願いします!」
「うむ!」

強そうな男たちだな。・・・・・『信長』『秀吉』『家康』『熊五郎』・・・・・・
あ!・・・・・・・・胸毛の熊五郎か、・・・・・・・・

なんだ~もじゃもじゃじゃないか!
アンドレのはもっと、品があったぞ!


  *************************


長いような、短いような、あっという間の一日だったな・・・・・。
そうだ!確かめたいことがあったのだ。
玄関脇の、・・・・・・・・名前の札・・・・・・・・。

右から、父上『レニエ』『オスカル』『信長』『秀吉』『家康』・・・・・・、
やはり、強い順か、

・・・・・・・・アンドレは、・・・・・・・・
ずっと、ず~~~~~~~~っと下の、
なんだ!下から三番目か・・・・・・・・、
『アンドレ』『フランソワ』『ジャン』・・・・・・。
ほう!すると、弱っちいの三人が給仕をするのか。

「おじょうさま、先生がお呼びです。」
あ、ばあや!・・・・・・先生って、・・・・・・・・『父上の事だ』・・・・・・

  *************************

「え゛!もう一度おっしゃってください!父上」
「うむ!予定通りおまえが24になった時に、名乗りを上げたもの全員による試合をして、最後に、おまえに勝ったものを、おまえの婿にしようと思っている。

おまえの誕生日は、年末でバタバタするが、もともと決めてあった事。
予定通りに行おうと思っている。
近々門下の者、城下、近隣諸藩にも知らしめようと思っておる。
おまえも、そのつもりで励めよ」

驚いた!こちらでも、結婚騒動か、
でも、わたしが、勝てばいいのだな。

・・・・・アンドレ、・・・・・・下手っぴ~だな・・・・・・・・。
それよりも、・・・・・・・・わたしは、全然アンドレにときめかないぞ・・・・・・・・。
おまえは、わたしのアンドレではないのか。

わたしは、今、23なのか、・・・・・・・・
おまえは、24・・・・・・・・か、向こうでは、ジャルジェ家を出て行った頃ではないか!
もっとしっかりしていたぞ!

もっと、大きくて・・・・・・・・身体じゃない・・・・・・・・人間がだ!
包容力があって・・・胸毛があって・・・これはどうでもいい事か・・・・・・・・。
剣や銃はダメだったが、・・・・・・・・もっと、生きる意志と言うものを持っていた!

一日目だから、まだ分からないのか、・・・・・・・・
兎に角、こちらで、暮らさねばならないようだから、
しばらく、観察してみるか。

向こうの、父上、母上、子ども達の事、よろしくお願いします(‘◇’)ゞ

BGM New Man
By Ed Sheeran
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